山形県内でただ一人。天童・渋谷さんの赤肉メロン「ニューキングレット」の畑へ
まもなくメロンの出荷が始まるこの時期、青果バイヤーが訪ねたのは、山形県天童市でメロンを育てる渋谷さんの畑。渋谷さんが手がける「ニューキングレット」は、県内では渋谷さんただ一人が栽培する希少な品種です。 収穫直前の生育状況を確かめ、そしてお店に並べる前に自分たちの目と舌で味を確かめるため、ハウスにお邪魔してきました。

メロン歴40年、73歳。今も試行錯誤を続ける現役
渋谷さんは御年73歳。メロンを作り続けて40年近くになるそうですが、驚いたのはその探究心です。つるの掛け方を斜めにして作業しやすくしてみたり、品種を変えて試してみたり----40年のベテランが、 今も「もっと良くできないか」と工夫を重ねているのです。 一度うまくいくと、人はつい同じやり方を続けたくなるもの。それをしないからこそ、渋谷さんのメロンはおいしいのだと、畑を歩きながら実感しました。 「いつまでできるかな」と笑う渋谷さんに、思わず「あと30年はいけますね!」と返してしまうほど、お元気そのものでした。


「難しいから、おもしろい」
メロンづくりの魅力を尋ねると、渋谷さんはこう教えてくれました。 「メロンは大きくして終わりではない。食べたひとが、甘みがのって『あー美味しかった』という状態まで育てることが大切。そこまで作り込むことを大切にしている。そこが難しくて、手間もかかる、けど、おもしろい」 相手は生き物だから、思い通りにはいかない。それでもうまく育ったときの喜びが大きいのだと、渋谷さんは語ります。 ハウスの中では受粉のためのミツバチが飛び交い、玉の伸びも上々。「今まで作った中で一番いい品種」と太鼓判を押すニューキングレットが、飴色に色づき始めていました。

試し切りで糖度14度。
「甘っ!」 「一番進んでいるのを切ってみますね」 渋谷さんがハサミを入れ、その場で試食させていただきました。糖度計にあてると14度。メロンの食べごろの目安を上回る数字が、収穫前の段階で出ています。 ひと口食べると、後からぐっと強くなる甘み。そしてニューキングレットならではの、しっかりとした果肉の食感。他の品種とはひと味違う、みずみずしさと歯ごたえの両立に、おもわず「美味しい!」を連発してしまいました。


「熟していないものは出したくない」
出荷スケジュールの相談では、渋谷さんの強いこだわりを感じる場面がありました。 「一番嫌なのは、熟していなくて美味しくないものを出すこと。良い状態のところでお届けしたい」 一気に大量に出荷するのではなく、畑の状態を見ながら、食べごろを迎えたものから少しずつ。私たちも「お客様に一番良い状態で届くこと」を最優先に、渋谷さんと一緒に販売のタイミングを組み立てました。 売り場に並ぶメロンの一玉一玉に、こうした判断が積み重なっています。

天童のニューキングレット、まもなく店頭へ
山形県内で渋谷さんだけが育てる希少なメロン「ニューキングレット」。強い甘みと、しっかりした果肉が持ち味です。数に限りがありますので、売り場で見かけたらぜひお手に取ってみてください。 40年の経験と、今も続く探究心が詰まった一玉です。





