芋煮の主役はこの畑から。 真室川町の里芋農場を訪ねました
山形の秋といえば、やっぱり芋煮。その主役である里芋の生育を確かめるため、バイヤーが向かったのは、山形県真室川町の阿部農場です。
県内でも有数の規模で里芋を育てるあべ農場の畑は、見上げるほど大きな葉っぱの緑一色。芋煮シーズンの到来を前に、今年の出来と、里芋づくりへの想いをじっくり伺ってきました。
トトロの傘みたいな葉っぱの下に
畑に着いてまず圧倒されたのは、里芋の葉の大きさ。まるでトトロが持っている傘のようで、実際に頭の上にかざすと、雨がしのげてしまいそうなほどです。
実はこの葉っぱ、大きさに意味があります。「葉っぱが大きければ大きいほど、下の芋も大きい」 阿部さんは葉の高さと大きさを見ながら、土の中の芋の育ち具合を読み、収穫のタイミングを見極めるのだそうです。
半年間、土の中で育つ里芋。掘り出すまで姿の見えない芋との対話は、地上の葉っぱを通して行われていました。
試しにひと株抜いていただくと、ずっしり2〜3キロ。これでもまだ若い状態で、収穫本番の10月には、株もさらに大きく育つとのこと。「今年は豊作だと思います。いい感じです」と、阿部さんも手応え十分の様子でした。
ふかふかの土は、冬の仕込みから
畑を歩くと、足元がふかふかと柔らかいことに気づきます。秘密は、あべ農場が冬の間に仕込む自家製の肥料。これを、春に畑一面へ散布しています。
「肥料が土の中の微生物の餌になって、微生物が増える。それが土作りになるんです」
さらに里芋は「水が一番」の作物。夏の日照りにはスプリンクラーで水をかけ、葉を大きく、芋を大きく育てます。今年の豊作も、春以降の雨の多さが味方したそうです。広大な畑を毎日見回り、
その時にしかできない作業を積み重ねる----ふかふかの土と大きな芋は、一年がかりの仕事の結晶でした。
芋煮にぴったりの品種「土垂」
あべ農場の里芋は「土垂(どだれ)」という品種。とろっとした粘りと柔らかさが特徴で、煮込んでも煮崩れしにくいのが持ち味です。
外はしっかり、噛むと中はとろり。長時間ぐつぐつ煮込む芋煮でも溶けてなくならず、ちゃんと「里芋の存在感」が残ってくれる
まさに芋煮のために生まれてきたような品種です。
「芋煮を、じゃがいもでやるわけにはいかない」
視察の終わりに、これからの里芋づくりについて伺うと、印象的な言葉が返ってきました。
「広めていきたいというより、守っていきたい。里芋がなくなってしまえば、芋煮をじゃがいもでやるわけにはいきませんから」
猛暑や雨不足など、栽培環境が年々厳しくなる中で、山形の食文化の土台を支え続けること。上京された方から「芋煮のセットを送ってほしい」という問い合わせが届くこともあるそうで、
里芋は山形の人の心のふるさとでもあります。
「食べて美味しいと言ってもらえるのが一番」と語る阿部さんの里芋づくりは、文化を未来へつなぐ仕事でもありました。
収穫後も根っこを切り芋だけの状態にするのに多くの労力を要する大変な仕事です。しかし、文化を継承するためには無くてはならない大切な仕事です。
今年の芋煮は、真室川の里芋で
ふかふかの土と豊かな水で育った、今年の里芋は豊作。粘りと柔らかさ自慢の「土垂」が、ヤマザワの売り場に並んでいます。
芋煮は奥が深く、地域それぞれの味付けこだわりがある。主役の里芋が美味しければみんな笑顔に(^^)。
ご家族や友達との芋煮会に、産地の想いが詰まった真室川の里芋をぜひどうぞ。





